〜 トレーラーバス 〜


戦後の一時期、札幌で大量輸送に活躍したトレーラーバス
 昭和23年ごろ、北海道で初めて2両導入され、札幌市内で大量輸送に使われた。日野自動車製のディーゼル車でT客車Uと、それをけん引するT運転車Uが別になっており、全長が14E近くもあった。客車の座席定員(三方シート)は91名だが、すし詰めにして120名は乗せることができた。客車には前方と後方の2ヵ所に乗降口があり、車掌は前と後ろに2人乗務していた。客車と運転車は離れているためブザーで連絡をとり「ブーブー」と二度鳴らすと停車、「ブー」と長く引っ張ったときは発車および通過と決められていた。
 普通のバスの2倍近くもあるジャンボバスの出現に、木炭バスを見慣れていた当時の札幌っ子はびっくり、わざわざ豊平まで見物にくる人もおり、新聞報道にもたびたび登場して話題を賑わせた。しかし、このバスは大き過ぎて小回りがきかず、狭い交差点では身動きとれず立ち往生することも。使用路線が限られるため、結局、数年で姿を消した。


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