〜 アンヒビアンバス 〜
米進駐軍払い下げの軍用特殊車を改造した箱型バス(キャブオーバー型)ガソリン車。中央バスには昭和22年札幌に1両、小樽に3両入った。このバスは六輪全駆動で、エンジンは運転席の左側にあり、その後ろがミッションで、チェンジレバーは1メートル以上のロットで左肩のところにのびている。乗務員は肩越しに後ろ手で、手首にチェンジレバーを操作したが、大変運転しずらい車だったという。
 当時はまだガソリンの配給統制が続いていたが、この車はガソリンの特配付き。しかし普通のバスの2倍以上も燃料を消費するので、パワーは強力だが、経済車とは言えず、札幌では真駒内の進駐軍キャンプで働いている人たちの輸送や競馬、競輪客の輸送、小樽では市内線のラッシュ時間帯や、当時、銭函にあった競馬場の競馬客輸送に活躍した。そして現役を退いてからは排土板を取り付け、強力なパワーを生かし除雪車として活躍したが、いずれも昭和30年ごろまでに姿を消した。


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